ヘイトフル・エイト

2015 米

 

不穏な雪景色の中を駅馬車が駆けてゆく。

賞金稼ぎとその獲物の女を乗せ、町へ向かうが、

吹雪のため一旦休憩を取ることに。

道中加わった賞金稼ぎと小悪党を加え、

目的の店にたどり着いてみたのだが・・・

 

タランティーノ監督はイングロリアス・バスターズ

それなりに面白かったので見ているのだけど、

今作は雪中の閉鎖的な小屋の中、ストーリー性がないので微妙だったな。

今のアメリカを築き上げてきたWASPの精神性はあらわされていたとは思うが。

 

グロイのもたまにはいいけどそれ自体が目的じゃねぇ。

まあとはいえ168分一応退屈はしないで見れました。

でもこれに168分なら他のことしたほうが良かったかもな、

そういう感想です。

 

 

ズートピア

2016 米

 

ディズニー映画だがむしろ大人向けに作られているような内容。

動物の理想郷ズートピアでは肉食動物も草食動物も仲良く暮らす。

生息地に合わせた気候も完備されており素晴らしい世界。

どんな未来も手に入れられる場所。

 

そんな街で種族初の警察官を目指すウサギの主人公。

努力を重ねて夢を実現させ、意気揚々とやってきたのだが・・・

 

理想を謳ってはいても現実は偏見も強く残り、

主人公の欠点もたくさん描かれる。

初仕事で交通違反の取り締まりを任されたのは

「屈強な動物じゃないから」という偏見だと見ることもできても、

自分の出世(点数稼ぎ)のために過剰な取り締まりをしていますしね。

 

黒幕もやったことはひどいが、不当な扱いが原因でもあるので

このあたりも現実というところ。

ポール・ハギスの映画「クラッシュ」でも異文化の衝突がテーマだったが、

乗り越えることができるのか・・・

 

他には手続きの超遅いナマケモノが登場したりと米社会への風刺も含まれ、

ゴッドファーザーも出てきたりと

エンターテイメントとして純粋に楽しむことも可能。

ファミリーで見てもそれぞれが楽しめる映画と言えます。

 

吹き替え、上戸彩の主人公役が予想外にとても良かった。

声優の方がいいのかも?

 

花とアリス殺人事件

2015 日

 

花とアリスの前日譚をアニメで制作。

実写版主役の二人が声優を担当している。

世界観は共通なので前作を気に入った人には満足度は高いと思う。

 

中学生特有の怪談・噂話がメインでその謎解きをしていくのだが、

ちょっとさすがにないだろう、というような内容なので

深く考えずキャラを楽しめればよし、

そうでなければ興ざめとなってしまうだろう。

 

中盤の追跡シーンも途中で本筋から外れ、謎解きの意味はなくなる。

黒澤明の「生きる」を思い出させられはしたが微妙と言えば微妙。

 

前作へのオマージュが色々散りばめられています。

ファン向けですね。

花とアリス

 

2004 日

 

岩井俊二監督と言えばはるか昔、

山田洋次監督の「学校」を見ようという

友人を説得して観た「スワロウテイル」以来。

独自の世界観ながら当時はよくわからず、

主題歌だけが耳に残る作品となった。

 

本作はどうやら青春ムービーらしい。

ということで主演の二人の魅力が存分に発揮されている。

 

写真が趣味の友人に撮られる二人。制服で踊る蒼井優

このあたりは青春の輝きでありとても美しい。

正直監督ちょっとずるいなというか、見とれざるを得ないな、

というシーンとなっている。

 

おそらく花とアリスだとアリス派の方が多いと思うのだが

気まぐれ猫のようなアリスより、個人的には花の頑張り、ひたむきさが良かった。

女優の好みでは清純派の蒼井優(プライベートはともかく)なのだけど、

あれで三角関係になるのもちょっと納得いかないし、

家族との葛藤とか美味しいところ持っていきすぎだし、

挙句の果てに最大の見せ場の落語シーンはカット。花かわいそう。

是非見せて欲しかった。

 

広末涼子阿部寛など豪華共演陣もみどころ。