最高の花婿

2013 仏

 

フランスで大ヒットしたらしいコメディ。

4人の娘の結婚相手は、アラブ人、ユダヤ人、中国人、黒人!?

という国際結婚に関わるトラブルを描いたもの。

 

寛容か不寛容かの二元論に留まらず、

これまでの習慣を変えろと言われれば、

それだけでかなりのエネルギーがいるもの。

 

この作品を見ているとそういう大変さが伝わってくる。

 

 

後半急展開になるが、まずまず楽しめた作品だった。

フランス人は実感があるのでもっと楽しめたのだろう。

 

しかし改めてラ・マルセイエーズは凄い歌詞だな。

結構、市民革命の誇りとかも感じながら歌ってるのかなぁ。

エクス・マキナ

2015 英

 

世界的検索大手、ブルーブック社の社長別荘に呼ばれた青年。

彼に与えられた役割は、人工知能のテストをすること。

 

知的好奇心もあり参加したものの、

テストは当初とは違った展開を見せていき・・・

 

閉鎖的な環境、無機質、無添加な映像で魅せる近未来SF。

結末は目新しいものではないし、

AIの出来を判断する要素は人間を籠絡できるか、という過程は意外とシンプル。

 

挿入歌が「エノラゲイ」だったりオッペンハイマーが出てきたり

テーマの強調がちょっとくどい感も無きにしも非ずだがまあ些細な事。

人間の職がなくなる、というよりいつかAIに滅ぼされるだろうという

ターミネーター的価値観?の社長のもと、緊張感をもって楽しめます。

 

ラスト、透明なボディに皮膚を身に付け、

アリシア・ヴィキャンデル本人のヌードをカメラは映す。

他にも書いている人がいましたがこの映画の最大のがっかりはここ。

「あれ、エヴァとは別人?」と思ってしまう胸の縮みよう。

 

最後までしっかり作ってほしかった。

 

舞台の別荘は実在するノルウェーのホテルらしい。

なかなか素晴らしいところですね。

 

ヘイトフル・エイト

2015 米

 

不穏な雪景色の中を駅馬車が駆けてゆく。

賞金稼ぎとその獲物の女を乗せ、町へ向かうが、

吹雪のため一旦休憩を取ることに。

道中加わった賞金稼ぎと小悪党を加え、

目的の店にたどり着いてみたのだが・・・

 

タランティーノ監督はイングロリアス・バスターズ

それなりに面白かったので見ているのだけど、

今作は雪中の閉鎖的な小屋の中、ストーリー性がないので微妙だったな。

今のアメリカを築き上げてきたWASPの精神性はあらわされていたとは思うが。

 

グロイのもたまにはいいけどそれ自体が目的じゃねぇ。

まあとはいえ168分一応退屈はしないで見れました。

でもこれに168分なら他のことしたほうが良かったかもな、

そういう感想です。

 

 

ズートピア

2016 米

 

ディズニー映画だがむしろ大人向けに作られているような内容。

動物の理想郷ズートピアでは肉食動物も草食動物も仲良く暮らす。

生息地に合わせた気候も完備されており素晴らしい世界。

どんな未来も手に入れられる場所。

 

そんな街で種族初の警察官を目指すウサギの主人公。

努力を重ねて夢を実現させ、意気揚々とやってきたのだが・・・

 

理想を謳ってはいても現実は偏見も強く残り、

主人公の欠点もたくさん描かれる。

初仕事で交通違反の取り締まりを任されたのは

「屈強な動物じゃないから」という偏見だと見ることもできても、

自分の出世(点数稼ぎ)のために過剰な取り締まりをしていますしね。

 

黒幕もやったことはひどいが、不当な扱いが原因でもあるので

このあたりも現実というところ。

ポール・ハギスの映画「クラッシュ」でも異文化の衝突がテーマだったが、

乗り越えることができるのか・・・

 

他には手続きの超遅いナマケモノが登場したりと米社会への風刺も含まれ、

ゴッドファーザーも出てきたりと

エンターテイメントとして純粋に楽しむことも可能。

ファミリーで見てもそれぞれが楽しめる映画と言えます。

 

吹き替え、上戸彩の主人公役が予想外にとても良かった。

声優の方がいいのかも?