エクス・マキナ
2015 英
世界的検索大手、ブルーブック社の社長別荘に呼ばれた青年。
彼に与えられた役割は、人工知能のテストをすること。
知的好奇心もあり参加したものの、
テストは当初とは違った展開を見せていき・・・
閉鎖的な環境、無機質、無添加な映像で魅せる近未来SF。
結末は目新しいものではないし、
AIの出来を判断する要素は人間を籠絡できるか、という過程は意外とシンプル。
テーマの強調がちょっとくどい感も無きにしも非ずだがまあ些細な事。
人間の職がなくなる、というよりいつかAIに滅ぼされるだろうという
ターミネーター的価値観?の社長のもと、緊張感をもって楽しめます。
ラスト、透明なボディに皮膚を身に付け、
アリシア・ヴィキャンデル本人のヌードをカメラは映す。
他にも書いている人がいましたがこの映画の最大のがっかりはここ。
「あれ、エヴァとは別人?」と思ってしまう胸の縮みよう。
最後までしっかり作ってほしかった。
舞台の別荘は実在するノルウェーのホテルらしい。
なかなか素晴らしいところですね。
ヘイトフル・エイト
ズートピア
2016 米
ディズニー映画だがむしろ大人向けに作られているような内容。
動物の理想郷ズートピアでは肉食動物も草食動物も仲良く暮らす。
生息地に合わせた気候も完備されており素晴らしい世界。
どんな未来も手に入れられる場所。
そんな街で種族初の警察官を目指すウサギの主人公。
努力を重ねて夢を実現させ、意気揚々とやってきたのだが・・・
理想を謳ってはいても現実は偏見も強く残り、
主人公の欠点もたくさん描かれる。
初仕事で交通違反の取り締まりを任されたのは
「屈強な動物じゃないから」という偏見だと見ることもできても、
自分の出世(点数稼ぎ)のために過剰な取り締まりをしていますしね。
黒幕もやったことはひどいが、不当な扱いが原因でもあるので
このあたりも現実というところ。
ポール・ハギスの映画「クラッシュ」でも異文化の衝突がテーマだったが、
乗り越えることができるのか・・・
他には手続きの超遅いナマケモノが登場したりと米社会への風刺も含まれ、
ゴッドファーザーも出てきたりと
エンターテイメントとして純粋に楽しむことも可能。
ファミリーで見てもそれぞれが楽しめる映画と言えます。
吹き替え、上戸彩の主人公役が予想外にとても良かった。
声優の方がいいのかも?