リップヴァンウィンクルの花嫁

2016 日

 

岩井俊二監督の久々らしい長編作。

3時間と長くて悩んだものの、評判がいいので借りてみた。

 

主人公は内気で何事も上手くいっていない黒木華

生徒には馬鹿にされ、ネットで見つけた結婚相手とはすぐに破たん。

 

そこに手を差し伸べる怪しい男、自称何でも屋の綾野剛

彼女のたどり着く先は救いの地か、それとも・・・

 

 

正直前半はなかなか見ているのが辛い映画ですね。

ヒロインの主体性のなさ、頭の悪さ、周囲の悪意や冷たさ、

などの連続でイライラ。

 

ところが中盤以降ある人物と知り合うと「花とアリス」的な

岩井監督の柔らかい描写に溢れてほのぼのし、展開がガラッと変わる。

 

ついにヒロインにも温かい人生を送る機会が訪れたのか、と思いきや・・・

 

以下はぜひ見てタイトルの意味を確認して欲しいのですが、

中盤以降の2時間はスムーズにみられるので前半なんとか耐えてください。

 

黒木華はちいさいおうちも観てないし、不勉強なんだけど、演技力高いのかな。

もっと見ようかなと思いました。

coccoの素に近いような雰囲気、海街ダイアリーの夏帆とか、

異論あるかもだけど八日目の蝉の小池栄子みたいな感じは好き。

綾野剛もなかなか良かったです。

 

しかし最後はなんとなくいい感じで終わってますが、ホラーですよこれは。

綾野剛怖すぎ。

 

www.amazon.co.jp

インサイド・ヘッド

2015 米

 

地上波でやっていたので鑑賞。

 

少し興味はあった作品だが、

なかなかうまく人間の脳内を表していたように思う。

 

ストーリーはとってつけたようなものなので置いておくとして、

たまに思い出すガムのテーマソング、夢の制作現場、

成長に応じて壊れていく個性の島。

 

脳はこういう働きをしてるんだなぁ、

と結構興味深く、それなりに楽しく見ることができました。

 

子どもの感情にフォーカスしているつながりか、

なぜか重松清を思い出してしまった。

 

やはり大人と比べて、

行動の際に理屈の影響がかなり少ないように描かれていましたね。

 

その最たるものがエンドロールの猫(笑)

インフェルノ

2016 米

 

お馴染みラングドンシリーズの第4弾?みたい。

3作目は映像化を断念したとかなんとか。

 

ラングドン教授がフィレンツェの病院で目覚め、記憶喪失気味。

なんで怪我したのかなど、思い出していたら誰かに襲撃されるし

怪しいイメージが頭をよぎるし・・・とヒロインと一緒に謎解き。

 

ライトすぎるのでもう忘れてしまっていましたが、

そういえばダ・ヴィンチ・コードルーブルで、天使と悪魔はヴァチカンでした。

フィレンツェヴェネツィアイスタンブールと話は展開、

馬が戦利品だとか結構有名な話もあったりしながら

地下宮殿のメデゥーサにたどり着いていく。

 

二転三転の展開で飽きなかったけど、

後半のロマンスは別に不要、

ラングドンにしか解けない暗号を富豪が残す意味とは・・・など

まあその辺りはあまり突っ込んでも仕方がない感じもしますけどね。

 

そういえば美術学者だったよね、

と思い出しながらそれなりに楽しみました。。

 

 

シン・ゴジラ

2016 日

 

東京湾に異常事態が発生。何が起きたかと対策会議中。

「なに、未知の生物の仕業だと?バカ言うな・・・え、何この生物・・・」

 

やや軽すぎるが、そういう危機管理側の視点で制作したらしい。

その程度の前提知識で鑑賞。

 

人間ドラマとかはほぼなく、

早口のセリフ、状況説明、肩書説明、場所説明などが

矢継ぎ早に繰り出されていくリアルな政治劇。

予想と違っていたのは、当初こそ内閣の動きや首相の苦悩なども出てくるものの、

後半は退場してしまい特殊プロジェクトチームがメインだったということ。

やることが明確なので苦悩はしなくなりプロジェクトX的な感じになっています。

悪者は出てこないし、日本人の仕事への美意識を強調しすぎなところが

微妙かもなと、ひねくれてみたくなる感もあったりはしますが。

 

線量とか原子力規制庁とか、東日本前ならばほとんどの国民になじみのない、

しかし今では誰もが知っている用語を散りばめ、その点のメッセージ性は高い。

ゴジラが残り続けるという結末も、忘れるなという監督の強い意図を感じた。

 

かなり力を注いで作られた作品なことは間違いない。