この世界の片隅に

2016 日

 

最近映画をおろそかにしていてどうかと思いますが、

ぼちぼちと更新していきます。

 

キネマ旬報1位など各賞受賞の傑作を、

ようやく今になって鑑賞。

 

原作者の同じ映画、「夕凪の街 桜の国」は、

田中麗奈の声が合わなかった、

という記憶しかない(すみません)のですが、

各所で評価されているとおり、

のんはとてもキャラクターに合っていますね。

 

戦時下におかれても、少しいらいらしてしまうほど、

おっとりのんびりした自分らしさを失わないヒロイン。

 

ところが作中最大の悲劇といえるシーンでは、

それが災いしてしまい、姪のみならず、

自分らしさの象徴を失う羽目になってしまう。

 

内容として、一言ではなかなか語れない映画、

そして一度見ただけではまるで分らないほど

細部へのこだわり(戦時資料・手旗信号その他)が強い映画のようなので

また色々な解説等と照らし合わせながら見てみたいものです。

 

1点、原作のエピソードをいくつかカットしているらしく、

話がよくつながらない部分があったので、少し残念な気がしていました。

どうやら、本来予定していながら資金不足で断念したためのようで、

それらを盛り込んだ長尺版が完成するのを楽しみにしようと思います。

 

 

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー

2016 米

 

スターウォーズのスピンオフ的作品。

 

エピソード4で主眼のデス・スター攻防戦、

そのデス・スターの設計図をどうやって入手したのか、が描かれている。

 

主人公は冒頭で救い出されたのに大人になってもまだ手錠?

なぜ?と思ったものの

なるほどヒーローはいない設定なんだなと納得

 

こういう視点のものも斬新で、むしろ共感できて良かった。

特に後半はよくできていると思う。

Kはいい奴。

 

まあつまらないことを言ってしまえば

目標は設計図データしかない、他に何もないような星で、

簡単に陽動に引っかかりすぎだとは思うが、そこはお約束ということで・・・

 

CG出演の方々は残念というほかはないが、

ターキン提督は久しぶりに見て懐かしかった。

 

 

ルーム

2015 カナダ アイルランド

 

部屋の中しか知らない5歳の息子。

誘拐され7年も監禁されている母親。

 

二人は狭い部屋の中で暮らしていた。

 

 

部屋を脱出してからが本番の映画、と聞いてはいたのだが、

脱出までのシーンに約半分が割かれており、

制作陣が対比を重要視していることがうかがえる。

 

脱出後の二人も対照的。

外の「世界」をほぼ全否定していた息子が徐々に適応していくのに対し、

母親はむしろ逆で被害のトラウマも含めて、闇が深まっていく。

 

周囲の対応も様々で、「孫」を受け入れられない祖父、

孫に受け入れられるのか不安な祖母、

血縁関係はないが、優しい祖母の恋人。

 

「バァバ大好きだよ」と新しい「世界」を完全に受け入れ、

「縮んだ」過去の世界”へや”と決別していく。

子役のかわいさに飽きずに見られました。

 

暴行シーン・拉致シーンなどは描かれていないので、

そのあたりの心配はなく鑑賞可能な佳作。

 

母親役のブリー・ラーソンはアカデミー主演女優賞獲得。

後半の思い悩むシーンもそれなりですが、前半の演技は◎だったと思いました。

 

 

君の名は。

2016 日

 

だいぶ更新空いてしまった。

映画見なさすぎなのでもうちょっとなんとかしたいところ。

 

言わずと知れた大ヒット作を今更。

 

あらすじは都会と高山の高校生の話、

という以外全く知らなかったけれど、

なんとなく恋愛要素の強い作品?というイメージはあった。

 

 

もうネタバレは気にしなくてもいいですかね?

 

でも一応。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前半は入れ替わりの日常がコミカルに進んで行き、

「さすがに無理があるでしょ」とは思いつつ、

ファンタジーだからと割り切ればとても楽しい。

男だけであんな高いパンケーキもありえないが、まあファンタジーだから。

(つけ麺(大)の全部のせ、とかならわかるよ。)

 

後半は無理があるのは変わらず。

ついに彼女に会いに行くことにした主人公(男)。

だが、その結果は・・・

 

ところがなぜか無理やりな展開で再び入れ替わり、初の対面、

過程すっ飛ばしの避難成功、と進んで行った。

爆破シーンなどもありながらも、

名前連呼部で個人的に盛り上がらないからか、

前半と比べるとやや尻すぼみな印象でエンドロール。

 

まあ展開は最後まで無理だらけなんですが、わかっていながらも

しらけず見させてしまうエモーショナルな力がある作品だった。

で、それが大衆にヒットしたということですね。

二人はいつ会うのか、会って欲しい!と思ってしまう。

 

三葉は故郷を失った被災者であるわけだが、奇しくもそのおかげで

土地の呪縛から抜け出し、二人は再会できた面もあるはず。

二人の障害にしたり、災害の使い方を道具として割り切っていますね。

 

新海監督は名前と作品のいくつかは知っていたものの

手を出すまでに至らず、見たことはなかった。

古参ファンの方々の、「これまでの作品の集大成」というコメントなどにより

過去作がどういう作品群だったのかある程度の理解はできた気がする。

 

万一つまらなかったらどうしよう、

という心配は杞憂でなかなか楽しめました。

 

主題歌が一般受けしそうな王道で好みなのもあるかも。

以前軽く聞いてとりあえず放置していたRADWIMPS、

アルバム借りてしまった。