ニュー・シネマ・パラダイス
1988 仏 伊
・あらすじ
第二次大戦後。
シチリアの小さな村の唯一の娯楽は映画館。
映画が大好きなトト少年と、映写技師アルフレードの友情を中心に
あふれんばかりの映画愛と人間愛を描いた名作。
劇場公開版と完全版があり、
後者ではヒロインであるエレナのエピソードを見ることができる。
・感想
これまでに一番多く見た映画で、見るたびに号泣してしまう。
かわいいトト少年。
映画大好きな村人たち。
母のトトへの愛。毛糸玉。
アルフレードとトトの友情。自転車。50リラ。テスト。懺悔。
中年のトトを演じたジャック=ペランの表情がとてもいい。
反則ともいえるラストシーン。
アルフレードがトトの映画を見ることができたら喜んだだろうなと。
さて、冒頭で2つのバージョンがあると書きましたが、
あとから入手可能になった完全版の賛否が分かれている。
じゃあどっちから見たらいいんだよと思いますね。
劇場公開版は郷愁がテーマといえそう。
トトとアルフレード、二人を結びつけた映画、
きれいにまとまっていて完成度は非常に高い。
父代わりの友人、子供のころの映画愛と思い出。懐かしい初恋。
素直に感動したい、楽しみたい方はこちらがおすすめ。
私はこちらを何度も見ており、
エレナとの恋愛は青春の付属要素という認識。
50分ほど長い完全版では恋愛も大きなテーマとなっている。
アルフレードと映画だけでなくエレナも主題となり、
すれ違いの真相や現在の二人について結構長く描かれる。
終盤が中年男女の恋愛劇なんですね。
これは上記劇場版の、
素直な美しいノスタルジーを求める方からすれば蛇足 という声もわかる。
トトの人生劇としてみれば、
単純に美しい過去だけ描くより深みが加わるともいえる。
どちらがお好みでしょうか。
この映画、エンニオ=モリコーネの音楽は有名で、
テーマ曲はCMや挿入曲としてもよく使われています。
以前シチリアに行った際サントラを聞きながら感慨に耽りました。
そのうちロケ地巡りもしてみたい。
[]