そして、父になる
2013 日
是枝監督
東京の建設会社で仕事一筋で働くエリート社員の良多(福山)。
家にはほぼおらず、休日も出勤、
たまにいる家でもひたすら仕事してる。
一人息子の慶多はおっとりしており、そこが彼の不満。
自分のように周りを蹴落す上昇志向を持て!
小学受験をさせ向いてないピアノもやらせている
やるからには競争だ、一番じゃなきゃダメだ!
一方群馬で小さな電気店を営む雄大(リリーフランキー)
長男琉晴を筆頭に3人の子供がいて
一緒になって遊ぶし風呂にも入れる。
一見何の接点もない二つの家庭だが、実は慶多と琉晴は
出生後すぐ取り違えられていたことが発覚する。
それを知らされた両家族の反応、行動、決断は・・・
という映画。
テーマ的に全編通して重めの空気が漂う中、
福山が冷たく情のない人物を演じており
いつもピリピリしている彼の存在が画面の空気を凍り付かせている。
タイトル通り彼の成長物語が作品テーマ。
これだけ偉そうにすべての人を見下すことが許されるのは
福山だからと言えるだろうか(笑)
なかなかの力作であり見ごたえがあった。
この作品、是枝監督が奇跡の撮影のため
ひと月半ぶりに帰宅してまた家を出る際、
娘に「また来てね」と言われたことがきっかけで撮ったらしいです。