ぼんち

1960 日

市川崑監督


大阪船場の老舗足袋問屋の五代目「きくぼん」は、

放蕩を繰り返していたため

母親と祖母に女遊びせんと嫁をとるように言われる。

 

家内では祖母が絶大な権力を握っており、
母親は自分の母に依存しきっている。

「男の子じゃ出来が悪けりゃ終わり。
女の子なら、出来が悪くてもいいのを婿に取ればええ」

というスタンスで商家を存続させてきた独自の世界がそこにある。

 

番頭上がりの夫の方は仕事にのみ精を出すしかないのだ。


さて、やってきた嫁だが二人のいびりにより事実上追い出される羽目に。

こりゃ結婚は無理だと思ったきくぼんは、

戦前戦後を生き抜く中で、
色んな女と逢瀬を繰り返すのだった。


山崎豊子の原作を市川雷蔵主演で映画にしたもの。

 

山崎豊子は大阪の商家出身ということで

舞台が大阪近辺の作品が多いですね。

 

映画は笑いどころも多く、エンタメとしてかなり面白い。
独特の船場言葉や商家の様子などが見られるのは貴重。

キャストはなかなか豪華。

雷蔵の他に、京マチ子若尾文子越路吹雪山田五十鈴中村玉緒などなど。

 

「ぼんち」というのは「器が広いぼんぼん」のこと。

「きくぼん、ぼんぼんのままじゃあかんで、ぼんちになりなはれ」

 

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