シェーン

1953 米

 

西部開拓民のジョー(ヴァン・ヘフリン)の下に

流れ者のシェーン(アラン・ラッド)がやって来た。

 

地主のライカーから嫌がらせを受けているジョーは当初警戒するが、

純粋な流れ者で好漢のシェーンを気に入り、雇い入れることにする。

 

ジョーの妻マリアン(ジーン・アーサー)や

息子のジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)

にも馴染むシェーンだが、

流れ者の自分には所詮束の間の安息に過ぎず、

彼らとは住む世界が違うことはわかっていた。

 

一方、ライカーの嫌がらせは日に日に激化していき、

シェーンはとうとうジョーの代わりにライカーと対決。

そして、山へと去っていくのだった。

 

ご存じラストシーンの叫びで有名な作品。

「遥かなる山の呼び声」でモチーフにされたとのことですが

確かに基本設定は未亡人という点以外ほぼ一緒ですね。

 

ただし西部劇としては銃撃シーンがほとんどないという異色といえる作品。

代りになぜか拳闘シーンが多いのだが、以下その理由。

 

基本設定として、銃が全ての西部無法時代は終わっており、

むしろ開拓を進めたい政府によりホームステッド法が制定されている。

 

この法律は、「5年間(だったか)開拓した者には一定の土地を与える」

というもので、祖父の代からの地主、ライカーが切れている原因。

 

「じいさんの代から開拓してきた土地を勝手に取られてなるものか」

「よそ者が来て水を引くからこっちの牧場で水が涸れた」

 

ジョーからすれば、「0からの開拓が大変なのは俺たちも同じ」

「偉そうに言うが元々はお前らの土地じゃなくてインディアン(ネイティブ=アメリカン)の土地だ」

 

ということでそうした対立が主軸になっているんですね。

 

で、西部の世界でももう法が幅を利かせてるので

勝手に撃ち殺すとそれはただの殺人になってしまうというわけです。

 

やや長すぎる気もしますが、背景の山は美しく、

シェーンとマリアン、ジョーの三角関係もしっかり描かれているので、

一度は見て損はないとは思います。

 

一躍超有名になったアラン・ラッド、ブランドン・デ・ワイルドの二人ですが、

その後はヒットには恵まれず、10数年後に共に亡くなっています。

 

この作品、どうも日本では版権で揉めているようでDVDが入手しづらいようです。

100円ショップで見かけた韓国版(日本語対応)を購入しましたが、

若干字幕に誤りが見られました。問題はないレベルですが。