かぐや姫の物語
2013 日
スタジオジブリの高畑監督作品。
日本人なら誰でも知っている話を監督なりの解釈でアニメ化。
記憶にあった作品と違う点は
1.かぐや姫の幼年時代を生き生きと描いている
2.月が仏教世界であるという解釈
このあたりだろうか。
「かぐや姫の心を描く」ということで、
終始かぐや姫視点で話は進んでいく。
地球に憧れてやってきたかぐや姫。
誕生~幼年期は自然の中で生き生きと暮らす。
ところが翁のおせっかいというべきか、
避けがたい流れというべきか、
かぐや姫は、彼女が全く望んでいない「姫」としての身分を得る。
かぐや姫を思う翁だが、その行動は全く逆効果であるという皮肉。
ここから彼女の生活は暗転する。
自由はなくなり、感情も表に出せない、
「人ではない」生活をひたすら耐え忍ぶかぐや姫。
その美貌ゆえ望まぬ求婚をされ、図らずも5人を不幸にし、
帝の目にとまるに至り、とうとう耐えられず月に助けを求めてしまう。
理想郷である月を離れ、穢れた生の世界である地球に憧れた罪。
それでも生きるという喜びは代えがたいものだった、
というお話なんでしょうか。
温かい絵でほんのり心に残る佳作でした。