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大地のうた

1955 インド

 

ビブティブション・ボンドパッダエの自伝的小説を

サタジット・レイ監督が映画化。

 

ベンガル地方の貧村に生まれたオプーの生涯を描く三部作の第一作。

「大河のうた」「大樹のうた」と続く。

本作ではオプーの誕生から幼少期が描かれる。

 

ヴィットリオ・デ・シーカの「自転車泥棒」に影響されたという監督。

自転車泥棒同様、いやそれ以上に娯楽性には乏しく、

安易には見られない映画である。

 

(※淀川長治総監修のDVDをレンタル。

久々にご本人を拝見できてよかったが、冒頭に登場され、

盛大なネタバレをしてしまうという大きな問題がある。

映画を未見の方は、この部分飛ばして最後に見ることをお勧めします。)

 

教養はあるが生活感の薄い父親。

「せめて日に2度の食事ができれば・・・」と嘆く母親。

盗癖はあるものの優しい姉。

まさに老境といえる、存在感のある居候

(原作によれば、カースト制度のひずみの結果なのだとか)のおばさん。

 

ベンガル地方(低湿地が多いとか)の美しい自然の中で、

貧しい日常が描かれていく。

生きる悦び、動物とのふれあい、貧しい辛さ。

 

白黒ながら映像は美しく、

ススキのシーン、ハスの池、雨のシーンはその代表か。

個人的にはアメンボを撮る長さ、いかにも熱帯の雨らしい雨が印象的。

黒澤明が絶賛したというのもなんとなくだがわかるような気もする。

 

後半はドラマ性が増したせいか、前半よりはすんなりと見られた。

 

以下ネタバレあり。

 

 

 

 

 

 

 

 

森の中で眠るように息を引き取るおばさん、

雨に打たれ体調を崩し嵐の日に亡くなる姉。

もともと修理が必須なのに、ついに嵐で崩壊した家。

 

悲しい思い出のある村を離れ、一家はベナレスへ向かう。

 

まさに「大地のうた」というタイトルがしっくりきた映画だった。

 

骨太なシリーズなので

また気持ちに余裕のある時に残り2作も観られればと思う。