眼には眼を
1957 仏 伊
中東?の病院で働く医師(クルト・ユルゲンス)。
一日が終わり、やれやれ帰宅するかというところでけが人が複数搬送。
ようやく帰宅し自宅でくつろいでいると、妻を診て欲しいという急患が。
ここでは器具もなくできることもあまりないし、今日の仕事は終わりだ。
当直のいる病院に行くよう勧めた医師。
翌日出勤してみると、途中で車が故障し到着が大幅に遅れたうえ、
後輩医師の誤診により子宮外妊娠を見抜けず、妻は死亡していた。
遺体を確認し、医師に芽生える罪悪感の意識。
その日を境に医師の身辺に不穏な影が忍び寄る。
自宅には無言電話、病院に泊まることにしたものの、
患者の車を使った微妙な嫌がらせ、つけられているような気配。
医師の神経は摩耗していく。
既にボルタク(亡くなった患者の夫)の復讐は始まっていたのだった・・・
穏やかで丁寧な物腰のようで、
人間心理を巧みに操り医師を誘い出し追いつめていく恐ろしさ。
復讐、スリラーものとしては直接的な暴力も脅迫もないという異色な展開ながら
その巧みさで、その手の映画ファンには必見ともいえる傑作。
医師役のクルト=ユルゲンスは常に不機嫌そうな表情。
表現が難しいけど、「診てやってる」的な雰囲気も醸し出してるんですね。
狙ってやってるのかな。
「眼下の敵」(潜水艦物の傑作)の艦長かなと思ったらやはりそうだった。