至福のとき
2001 中国
チャン=イーモウの「幸せ三部作」(自称?他称?)完結編。
白髪交じりのおじさんチャオ。
たしかバツ2だった気がするが、とにかく結婚したい。
お見合い18回、細い女性が好きなのを抑え、
あえて温かい気立てだろうと太った女性に今日もアプローチ。
彼女の住まいに行ってみると、
前の男の連れ子だったという少女ウー・イン(ドン=ジエ)がいて、
盲目の彼女は厄介者扱いされている。
「至福旅館」の経営者だとウソをついていたチャオは、
彼女に仕事をあっせんするよう頼まれる。
実は失業中で金のないチャオにそんな当てがあるはずもない。
いろいろあって居場所がなくなり、マッサージならできるという彼女のため、
偽のマッサージ施設をこしらえることにしたが・・・
彼女がそこで過ごした日々は至福のときとなるのであった。
不勉強でドン=ジエについては完全に初見。
コン=リー、チャン=ツィイーに続く「モウガール」なんですね。
5万人のオーディションから監督が発掘してきたらしい。
さて、前エントリの美しき冒険旅行お色気シーンとの対比コメ。
彼女が扮する薄幸の少女ウー=インは不遇なためかやせ細っており、
サービスカット?それとも不遇な印象を出すため?の下着シーン
(結構びっくりした)でも
13歳かそこらかなという印象。
ところがその後18歳と告げるシーンがあって、
「え、そんな設定なのか」と。
実物のコン=ジエはオーディション時20歳だったらしくさらに予想外。
小さいころから軍の舞踊団?にいて世間に染まってなく、幼い少女、
そのあたりが役のイメージに合っていたようだ、
と本人がインタビューに答えている。
無表情の彼女が生き生きとしてくる流れは、
初めて触れた人の情の温かみの力を感じる。
一方、嘘ばかりついていたチャオの縁談は破局。
そんなしょうもない彼だったが、
映画のラストでついた嘘には熱い真情がこもっていた。
定番のハッピーエンドとは毛色を異にし、
お互いのメッセージが伝わらず別れる二人。
ウー=インの未来に少しでも「至福のとき」が訪れますように。
チャオとその気のいい同僚たちにも。