愛しのタチアナ
1994 独 フィンランド
カウリスマキ監督作品。
「ル・アーブルの靴磨き」は以前見たのだがほとんど忘れてしまっていた。
中年の仕立て屋ヴァルトは(コーヒー中毒)、
母がコーヒーを切らしていたことに激怒し
あろうことか母を納戸?に閉じ込め家を飛び出す。
やってきたのは親友レイノ(アル中)の自動車修理工場。
車を預けていたのだ。
閉塞した日常から逃れ、車に乗り込み遠出する二人。
途中、タチアナとクラウディアの二人を港に送り届けることに。
しかし、冴えない二人は絶望的に会話が成立しないんですね。
見てて本当に痛々しい。あわれ。
レストランで音楽がかかり、まわりは皆踊りだしても彼らは女を誘えない。
仕方ないので女二人で踊りに行く。
とにかく何の気遣いとかもできない。不器用。
でも女と旅できることが内心は嬉しいんですね。
港についても二人は女たちを追って船に乗ってしまう。
列車に乗るクラウディアと別れる一行。
とうとうタチアナの家まで行ってしまったところで、
ヴァルト「おい、帰るぞ」。
ところが一体どこに魅かれたのかタチアナとレイノはいい仲になっており、
レイノ「俺は帰らない」
一人寂しく家に帰るヴァルト。
鍵を開けると何事もなかったように母登場。日常へ。
この冴えない人々へのまなざしがカウリスマキ節なんだなと思いました。
哀愁漂うロードムービー。