ルーム

2015 カナダ アイルランド

 

部屋の中しか知らない5歳の息子。

誘拐され7年も監禁されている母親。

 

二人は狭い部屋の中で暮らしていた。

 

 

部屋を脱出してからが本番の映画、と聞いてはいたのだが、

脱出までのシーンに約半分が割かれており、

制作陣が対比を重要視していることがうかがえる。

 

脱出後の二人も対照的。

外の「世界」をほぼ全否定していた息子が徐々に適応していくのに対し、

母親はむしろ逆で被害のトラウマも含めて、闇が深まっていく。

 

周囲の対応も様々で、「孫」を受け入れられない祖父、

孫に受け入れられるのか不安な祖母、

血縁関係はないが、優しい祖母の恋人。

 

「バァバ大好きだよ」と新しい「世界」を完全に受け入れ、

「縮んだ」過去の世界”へや”と決別していく。

子役のかわいさに飽きずに見られました。

 

暴行シーン・拉致シーンなどは描かれていないので、

そのあたりの心配はなく鑑賞可能な佳作。

 

母親役のブリー・ラーソンはアカデミー主演女優賞獲得。

後半の思い悩むシーンもそれなりですが、前半の演技は◎だったと思いました。