2016 米
アカデミー賞受賞作。
不幸な生い立ちの黒人少年の物語、というのは知っていたので、
何かヒューマンドラマ的な救済があるのかと勝手に思っていた。
ところが、それらしきものがあるのは序盤だけ。
細いよすがの糸(一条の光)も切れ、何もなくなった主人公は、
そのあとは運命に抗えないがごとく辿りつくところに辿りついてしまう。
そしてラストの再会。
観客に沈思させるような物語ではあるのだが、
期待していたようなものとは違った作品だったな、というのが率直な感想。
悪くはないんですけどね。意外にも恋愛要素が強い。
主人公の心の奥を表すような眼差しが各世代印象的。