バクマン。

2015 日

 

誘われて珍しく劇場に。

少年ジャンプでヒットした漫画が原作。

自分は原作既読。割と最近の漫画なのであらすじも大体覚えていた。

 

真城最高(作画)と高木秋人(原作)は意気投合し漫画家を目指す。

どうせなら最大手の少年ジャンプで、ということで編集部に持ち込み。

 

担当編集者に助言を受けつつ改良し連載を目指し、

ライバルとの出会いなどを経て成長していくという青春王道映画。

 

見た人の評判によれば原作とは結構違っているとのことだったが

2時間の映画化なので多少はしょうがない。

 

その点、新妻エイジはじめ漫画家仲間たちは多少の違いはあれど、

有名俳優の演技力もあってか

原作の雰囲気になかなか忠実だと思う。

 

新妻エイジはかなり独特なキャラなので再現は大変かと思ったが、

上手いと思ったら染谷将太。さすがだ。

 

高木役の神木君は「桐島、部活辞めるってよ」の時同様、

高校生と言われても違和感はなく、相変わらずのさわやかさ。

なぜか秀才設定はなくなったようだが、

ライバルの岩瀬もいないのでなくてもなんとかはなるか。

真城役の佐藤健は個人的には少し高校生苦しいなと思ったが演技はなかなか。

 

映画は原作の序盤部分で終了なので

中盤以降のキャラが出てこないのはやむを得ないが、

かやちゃんわりと好きだったので出てこないのは残念だった。

 

人気アンケート重視のジャンプの仕組み、編集部の様子、

漫画の描き方などを丁寧に取り上げたところはリアルに再現されている。

 

一方、ヒロインとの恋愛要素は薄め。

亜豆は原作よりクールなキャラになっていて、

両想いなのに夢(漫画のアニメ化の際、ヒロインの声を担当する)

をかなえるまで会わない、電話もしない(メールのみ)という

超純愛要素は無視され、事務所に反対されるとあっさり別れを告げる。

原作の、反対されても夢に向かって意志を貫いた姿とは違う。

 

まあ自分は原作でも亜豆との恋愛要素はあんまりいらないな、

とか思っていたので別にいいけど。

 

似たようなところで言えば、入院エピソードですね。

原作はもっと後で入院してるんだけど、病気を気合で乗り切る的な話。

こういうのを見るたびに、

「気合で乗り切れるなら病気で死ぬ人いないよね」

とすごく思うのでげんなりした気分になる。

 

アシスタントなしで連載とかありえないとか、

ほかの漫画家が手伝うなんて週刊連載どうすんだとかは

そのとおりでご都合主義だとは思うが、

後者はトキワ荘のエピソードで似たようなものがあるみたいだし、

まあご愛敬か。

 

総じてなかなか気持ちのいい作品で、

原作の雰囲気に久々に浸らせてもらい、楽しませてもらった。

 

斬新な演出?らしい、漫画バトルシーン等は

悪くはなかったが間延びする面もあるのでなくてもいいかな。

 

エンドロールがやや凝っていて面白いので

席を立たずじっくり見ることをお勧めする。

(特にジャンプファンの方)