第七の封印

1956 スウェーデン 

 

十字軍から帰還途中の騎士アントニウス(マックス・フォン・シドー)。

宗教の名の下の不毛な10年の日々で彼の信仰は大きく揺らいでいた。

 

そんな折、海岸で死神と出会った彼は、命を懸けたチェスの勝負を申し込む。

 

ペストの蔓延する陰鬱な社会、魔女狩り、狂信者たち。

希望のない社会。神はいないのか。

 

一方、純朴な旅芸人の夫婦や、

人間臭い鍛冶屋の夫婦、同じく旅芸人の座長、

神を追い求める騎士をしばしば窘める

現実的な従者(グンナール・ビョルンストランド)

などの存在が映画に明るさを与えている。

 

アントニウスは、魔女とされた女に悪魔について質問し、

悪魔の存在を通して神を実感しようとするが、失敗する。

 

海辺で死神とチェスをする美しいシーンは意外にも冒頭で時間としては僅か。

コメディー要素もあり野いちごとミルクのほんわかシーンなどで

イメージよりはだいぶとっつきやすい感じだった。

 

旅芸人の妻役のビビ・アンデショーンはとても美しく、

演技派ビョルンストランド、存在感のあるシドーら俳優も印象深い。