帰ってきたヒトラー

2015 独

ベストセラーの映画化だそう。

 

総統地下壕で自殺したはずのヒトラー

2014年のドイツに蘇ったとしたら・・・という設定。

 

戸惑いながらも情報を集め現状に適応し、

最善の策で「二度目」を狙うヒトラー

最初はいろいろ可笑しいシーンが多いコメディタッチ。

 

一方、この映画の恐ろしいのは

撮影当時のドイツ国民の本音を直接引き出すことに成功したところ。

 

ヒトラー役の俳優はメイクしたその姿でドイツ全土をまわり、

380時間に及ぶ映像を撮ったとか。

今のドイツの問題点は?と各地の人に聞いて回る。

「外国人は・・・」「国へ帰れ」「選挙は操作されている」「収容所を作れ」

 

そうした波に乗って人心を掌握していくヒトラー

ラストのセリフは排斥主義が強まる世界を表しているだろう。

 

俳優・スタッフが「嫌悪を示す反応に安堵した」という、

実はかなり真面目な映画。