インサイド・ヘッド

2015 米

 

地上波でやっていたので鑑賞。

 

少し興味はあった作品だが、

なかなかうまく人間の脳内を表していたように思う。

 

ストーリーはとってつけたようなものなので置いておくとして、

たまに思い出すガムのテーマソング、夢の制作現場、

成長に応じて壊れていく個性の島。

 

脳はこういう働きをしてるんだなぁ、

と結構興味深く、それなりに楽しく見ることができました。

 

子どもの感情にフォーカスしているつながりか、

なぜか重松清を思い出してしまった。

 

やはり大人と比べて、

行動の際に理屈の影響がかなり少ないように描かれていましたね。

 

その最たるものがエンドロールの猫(笑)

インフェルノ

2016 米

 

お馴染みラングドンシリーズの第4弾?みたい。

3作目は映像化を断念したとかなんとか。

 

ラングドン教授がフィレンツェの病院で目覚め、記憶喪失気味。

なんで怪我したのかなど、思い出していたら誰かに襲撃されるし

怪しいイメージが頭をよぎるし・・・とヒロインと一緒に謎解き。

 

ライトすぎるのでもう忘れてしまっていましたが、

そういえばダ・ヴィンチ・コードルーブルで、天使と悪魔はヴァチカンでした。

フィレンツェヴェネツィアイスタンブールと話は展開、

馬が戦利品だとか結構有名な話もあったりしながら

地下宮殿のメデゥーサにたどり着いていく。

 

二転三転の展開で飽きなかったけど、

後半のロマンスは別に不要、

ラングドンにしか解けない暗号を富豪が残す意味とは・・・など

まあその辺りはあまり突っ込んでも仕方がない感じもしますけどね。

 

そういえば美術学者だったよね、

と思い出しながらそれなりに楽しみました。。

 

 

シン・ゴジラ

2016 日

 

東京湾に異常事態が発生。何が起きたかと対策会議中。

「なに、未知の生物の仕業だと?バカ言うな・・・え、何この生物・・・」

 

やや軽すぎるが、そういう危機管理側の視点で制作したらしい。

その程度の前提知識で鑑賞。

 

人間ドラマとかはほぼなく、

早口のセリフ、状況説明、肩書説明、場所説明などが

矢継ぎ早に繰り出されていくリアルな政治劇。

予想と違っていたのは、当初こそ内閣の動きや首相の苦悩なども出てくるものの、

後半は退場してしまい特殊プロジェクトチームがメインだったということ。

やることが明確なので苦悩はしなくなりプロジェクトX的な感じになっています。

悪者は出てこないし、日本人の仕事への美意識を強調しすぎなところが

微妙かもなと、ひねくれてみたくなる感もあったりはしますが。

 

線量とか原子力規制庁とか、東日本前ならばほとんどの国民になじみのない、

しかし今では誰もが知っている用語を散りばめ、その点のメッセージ性は高い。

ゴジラが残り続けるという結末も、忘れるなという監督の強い意図を感じた。

 

かなり力を注いで作られた作品なことは間違いない。

 

ハドソン川の奇跡

2016 米

 

2009年1月、ニューヨークのハドソン川に旅客機が緊急着水。

大参事も予想されたが155人の乗員乗客が全員生還。

 

有名な映画なので気になってはいたものの、

事故のパニックムービーとしたらそれで尺は持つんだろうか、

大筋のストーリーはみんな知ってるし・・・と勝手に懸念していた。

 

違うんですね。テーマは機長の判断と葛藤について。

事故直後から世間では既に英雄視されている機長ですが、

事故調査委員会に厳しく追及されます。

 

航空会社・保険会社の代理人呼ばわりされたり、

調査委員会は悪役として描かれていますが、

事故原因究明と再発防止に存在意義はあるわけで、

それはわかっているから機長も悩む。

 

確信的に正しい判断だったはずだが、もしかしてミスしたんじゃないか。

どうなるんだろうか。もしミスで乗客を危険にさらしたのだとしたら・・・

 

そもそも、周囲の歓喜・英雄視をよそに、職人肌の機長は「ベストを尽くしただけ」

としか思っていない様子も強いと感じた。

確かに防げない緊急事態だったし、うまく着水はできたんだけど、

順調にフライト終了、ミッションコンプリート(いい結果)

と比べたらこの結末(悪い結果を回避した)では

全然嬉しい気持ちにならないのもわかる。

 

こういう職人気質の主人公はイーストウッド好みですね。

尺の方もエンドロール直前で88分。コンパクトな良作に仕上がっています。

 

機長がトム・ハンクスだということにエンドロールで気付き、

ちょっとショックを受けました。何を見ていたんだろうか。