ライク・サムワン・イン・ラブ
2012 日 仏
イランの有名監督、
キアロスタミが日本を舞台に撮った作品。
この監督は、「クローズ・アップ」だけ見たことがある。
デートクラブで働く明子(高梨凛)。
祖母が上京しており気にはなるものの、
デートクラブのバイトは秘密であり会うのは後ろめたい。
恋人の束縛にはうんざりしているが、別れるつもりもない。
アルバイトとしてもやる気はなく、呼ばれた客の部屋でいきなり爆睡。
孤独な元大学教授タカシ。
妻に似ている明子を家に呼ぶも、眠いので寝ようとする彼女を
料理とワインでなだめ、懇願して寝させまいとする。
明子に媚びる、情けない役回り。
中卒だが小さな自動車整備工場経営の、明子の恋人ノリアキ(加瀬亮)。
明子の秘密に感づいており、束縛にとどまらず手を出すことも。
「夫婦には隠し事は許されないはずだ」と思っているため、
結婚すれば明子の隠し事もなくなるはず、と結婚を希望している。
この3人の物語。
終始緊張に包まれた隔絶映画というべきか、
とにかくまともなコミュニケーションが一切成立しない。
そういうのを狙って描いているようで、
その手腕はさすがかもしれないが、自分としては楽しめたとは言えない。
「終始イライラさせられる映画」というレビューを見かけましたが、納得。
ディスコミュニケーションが主題となればわざとやってるんでしょうね。
ドキュメンタリータッチで
リアルな人間の孤独と、表の顔だけではない複雑な面を描いた作品です。
自分の周りが実はこんな人間関係ばかりだとすれば、ぞっとする。
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