レベッカ
1940 米
ヒッチコックのアメリカ第一作。
富裕マダムの付き人でやってきた主人公(ジョーン・フォンテイン)。
やな感じのマダムにいびられていたが、
断崖で物思いにふけるマキシム(ローレンス・オリヴィエ)を
心配して声をかけたのをきっかけに彼といい感じになり、結婚。
マキシムはイギリスのマンダレーという土地の富豪で、
屋敷には召使が30人近く。
一年前に前妻レベッカを海の事故で亡くしているマキシムは、
彼女の話題になると急に機嫌が悪くなる。
その度にレベッカへの強い愛情を感じ、彼からの愛に自信がなくなる主人公。
一方屋敷の住人はレベッカの美貌を褒め称え、
美しさ、教養、富豪の妻の立居振舞い、
全てにおいて自信のない主人公に重圧がのしかかっていく。
中でも前妻の連れてきた従者で
屋敷を取り仕切るダンヴァース夫人(ジュディス・アンダーソン)は
主人公に冷徹な態度を取り続け、
レベッカを崇拝するその異常性が明らかになって行く。
能面で怖すぎですが、なぜマキシムは彼女をクビにしなかったのだろうか。
主人公の世話も任せるなど全く不信は抱いていない様子・・・
前半はやや冗長だが後半明かされるレベッカの死の真相が見もの。
ジョーン・フォンテインが純真でかわいらしい姿から
完璧な前夫人レベッカの影におびえる中盤、
事の真相を知り、決然とレベッカ(の亡霊、というか負の遺産)に対峙する表情
などいろいろな面を見せてくれます。
・ジョーン・フォンテイン演じる主人公は名前が一度も出てこない。
これは結構珍しいかも。
・制作のセルズニックは現場に頻繁に口を出す人物らしく、
その結果ヒッチコック色はやや薄目なのかな?
終盤はかなりの会話劇というか
怒涛の展開説明セリフで二転三転一気に進展します。
・レベッカは一度も姿を見せない絶世の美女のまま終幕。