僕の村は戦場だった
1962 露
タルコフスキー監督の長編第一作。
「惑星ソラリス」など難解作が多い監督だが、
本作は独ソ戦のさなかに戦災孤児となった少年イワンを描いたもので、
内容はわかりやすい。
家族を殺されドイツへの復讐のみが生きる目的となったイワン。
パルチザンを経てソ連軍に協力し、偵察要員として危険を顧みず敵陣に潜入する。
イワンを演じる美少年、ニコライ・ブルリャーエフの鬼気迫る表情は
すごい迫力で見ごたえがあった。
時折挟まれる母や妹と過ごした美しく幸せな日々に対し、
彼のたどる運命はあまりにも哀しい。
戦場の粘りつくような川や、回想シーンの楽園のような海辺など、
監督特有の水の描写はこの時期から印象的。