プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

2012 米


ブルーバレンタイン」がなかなかだった、

デレク・シアンフランス監督。

 

骨太な親子二代にわたるドラマ。
概ね3つの物語に分かれている。


以下あらすじ等ネタバレ



・移動遊園地のバイクパフォーマー、ルーク(ライアン・ゴズリング)は、
以前情をかわした女性と再会。

彼女は自分の子どもを産んだことを知る。
根無し草な彼が父性に目覚め、遊園地をやめ、町に定住して生きようとする。

 

しかし彼女は黒人の実直な男性と同居し、

ルークには未練がありながらも今の生活を選ぶ。


そんな状況で、とりあえず家族を養い、息子を育てる十分な金を得るため
ルークが手を出したのは銀行強盗。

彼は息子思いではあるのだが、
この思考、この短絡、この破滅。

相棒が優秀なので最初は成功するが、一人でやって失敗、射殺される。


・次の話は射殺した警官の話

新米警官の彼は緊張か高揚からか、銃使用に過ちを犯す。

民家の一室に立てこもったルークに対し、
ほぼ問答無用で部屋に踏み込んだ瞬間発砲し、射殺してしまう。

検察の調査にも嘘をこたえるエイブリ―(警官の名)。
「何度も警告しました」「相手の発砲が先でした・・・」

経緯はともかくとしてヒーローになった彼だったが、

同僚は不正のオンパレード。


証拠品を勝手に略奪し自分の小遣いにする、
マフィアに証拠品の麻薬や銃を販売する。

上で嘘はついてしまったものの、ルークに幼い息子(自分の子と同じ年)
がいることを知って罪の意識にさいなまれる。

また、一応真面目警官の彼にとってこれら汚職は衝撃だった。

「父さんみたいに計算高い生き方はしない」
などと言っていた彼だが、
徐々に野心と世俗の垢にまみれた人間になっていく。

 ・そして最後は彼らの息子世代のお話。

お互いダメ人間(素行かなり不良)に育った息子たちだが、
ルークの息子は父親についての真実を知っていく。

この映画ではタイトル通り、松林のなかで印象的なシーンが多くある。
実父の生き方に魅かれた息子がその松林を越え、

善人の継父の下を去っていくのが印象的。



というお話です。
 映画の出来がしっかりしていて力作ですね。

 

公開館がかなり限られていたらしいのが残念。

 

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